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そのころ私はとにかく何もかも一緒であることに嫌悪感を持ち出していた。
思春期に突入したということもあるが一番の理由は初潮…だ。
私の体は確実に女性へと成長しはじめていた。
小さい頃からずっと一緒だった。
何をするにも
そう
な に を す る に も だ。
だから当たり前で、異常だと気づいた時には抜け出せなくなっていた。
『何してるの?』
突然背後からかけられた声で体を飛び上がらせた私は手にしていた携帯を床へ滑らした。
ガッシャンと音をたてて床へ叩きつけられた携帯。
彼の視線はゆっくりと下へ、そして再び私へと戻ってきた。
『お母さん達に何か急用…?』
体を硬直させて、青ざめる私へ彼はいつものように微笑み、そして携帯を広いあげた。
カチカチと細くて長い綺麗な指が携帯を弄る。
私は何て要領が悪いのだろうと自分に呆れながら瞳をギュッと閉じた。
『ふーーん』
ほら、冷たい声。
きっと機嫌を損ねた。
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