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『い、や。』
もう嫌だと声を振り絞る。
生まれた時からずっと一緒だった彼。
オカシイと思いながらもそんな彼に依存する自分もいる、拒絶すれば彼が傷つき、そんな彼を見て自分も傷つく。
でも耐えられないこんなの…
『なに?生理のこと気にしてるの?そんなの全然気にすることじゃ』
『嫌っ!』
拒絶の声が部屋に響き、それは彼の心を貫いた。
目を見開いて驚く彼の手から携帯を奪い取り、私は部屋の出口へと走ったーーー
その瞬間、ガクンと揺れる視界。
腕を物凄い力で掴まれていた。
ギリギリと爪が食い込み、皮膚がピリッと破れる痛み。
『約束…』
ボソリと囁く声は地を這う死者のようで、
『約束…したよね?』
私の体の自由を奪う。
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