双子

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南田 海(みなみだ かい) 春、真新しい制服に袖を通し、これから三年間を過ごす場所へと足を踏み入れた私は張り出された紙にあるはずのない名前を見つけ、ただ言葉を失った。 グルグルと混乱しだす頭を必死で働かして何故なのかと自分に問う。 彼が一緒に行こうと言った高校より遙か遠くに位置するこの全寮制の高校を受けることを決めた時、最前の注意をしたはずだ。 先生や親に頭を下げ、口止めをして。 “高校どこにするの?”という親しい友人の質問にすら答えなかった。 ………誰にも知られないようにと。 それなのに 何故、 『琉伊は四組かぁ…僕は一組だからクラスちょっと離れちゃったね。』
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