双子

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『………』 退屈な入学式から解放された生徒達がなだれ込んだ校舎の廊下は一気に騒音と人で溢れていた。 気持ち悪い その人の渦に流されながらグルグル回り出す自分の世界に、貧血に違いないとどこか人事のように考えた。 気持ち悪い、 気持ち悪い、 『ねぇ、教室まで一緒にいこうよ』 入学式に声をかけてきた女子がいつのまにか私の隣で嘘くさい満面の笑顔を浮かべていた。気持ち悪い、気持ち悪い、彼女の声が遠くてよく聞こえない。 しっとりと額に冷や汗を浮かべた私はよくわからないまま曖昧に頷いた。 『ねぇ、貴方とさっきの人、同じ苗字だよね?もしかして従兄とか?』 駄目だ。 何も考えられない。 気持ち悪さに瞼を閉じかけた瞬間、進みの遅い私に苛立った後ろの生徒がドンッとぶち当たり、追い抜いてきた。 ーグラッと視界が反転し、途端に辺りに広がったのは真っ白な世界ー
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