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聞き慣れない声に目を見開いた私は視線をゆっくりと自分の足元へ向ける。
色黒く日焼けしたスポーツ少年が白い歯をニッとだして爽やかに微笑んでいた。
『いきなりドターン!って倒れるから死んだかと思ったし!』
ガハハと顔中をくっしゃくっしゃにして豪快に笑い、少年は
よかったよかったと何度も言う。
どうやら見ず知らずの人に迷惑をかけてしまったらしい。私はとりあえずお礼を言おうと上半身を起き上がらせた。
『…わっ!もう起き上がんの?もうちょっと寝とけって!』
慌てて私の側まで駆け寄る少年。
彼の無駄にデカイ声
は私にキーンと耳鳴り起こさせた。
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