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『…すいませんでした』
『そっ、そんな謝るなって!てか、あんたもっと太ったほうがいーよ!軽すぎ!軽すぎ!』
深々と頭を下げた私を見て居心地悪そうに頭をかいた少年はまたガハハと笑った。
その笑顔がなんだか暖かくて、地の底に沈んだように暗い私には凄く眩しく感じた。
『…ありがとう。』
ニッコリ…、そう笑ったつもりだけどきっとうまく笑えてないだろう。
何でお礼さえもちゃんと言えないのだろう。そんな自分がどうしようもなく嫌だ。
長い髪で顔を隠すように俯く。
『…』
バタンッ!!!
その時、保健室の扉が物凄い勢いで開かれ、ドタドタという人の足音が聞こえた。
…誰?だと思う暇もなく仕切りのカーテンがシャッと音を立てる。
突然現れた人物に少年は目を見開いて驚いたが、私は予測していた事態にただ顔をしかめた。
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