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『学校のほうには手続き済みだよ。学校から近くて綺麗な物件探すの結構大変だったけどね。』
『どうして…?どうしてよ!私のことなのに何でなにもかも勝手に決めちゃうのよっ!』
声が怒りで震えた。もう何もかもが嫌だった。
海の言葉を鵜呑みにして、信頼しきる両親や彼の表の顔に騙される簡単な大人たちーー
『仕方ないじゃん。今日もいつもみたいに倒れたし。良くなったっていってもたまにでるでしょ。喘息の発作。』
そして結局彼に逆らえない自分。
『そ、そんなこと』
『寮に住んでも同室の人や先生に迷惑かけるだけだよ。』
するどく切り替えされる言葉に反論できなくて私はただ唇を噛み締めた。
『…………』
こんなはずじゃなかったのに
彼と離れる為にしたことが、より一層距離を近くするなんて。
これから始まる二人だけの生活に私はただ怯えることしかできなかった。
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