ふたり

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海の瞳が怒りと悲しみに揺れてる。 胸がキリリと痛い。 『嫌いじゃない、むしろ好き。でもそうゆう好きじゃない』 『そうゆう好きじゃない?本気で誰かを好きになったことないくせにわかるの?』 やや早口になった彼は私から目を逸らし、テレビをつけた。 お笑い番組が映し出されたテレビから笑い声が響く。 『子供扱いしないで。』 『確かにもう大人だよね……体だけは』 フンと鼻で嘲笑われる。 『……信じらんない』 胸の中がグルグルと回る。イライラする 一人だけ大人みたいな顔して 一緒じゃないとって言ってるくせに どんどん変わって、一緒じゃなくなっていくのはどっちよ? もうこの場にいたくなくて用意されてあった自分の部屋に閉じこもった。
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