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一緒なことが当たり前だった。
一緒じゃないと不安になる。
“一緒じゃないと”
母の口癖はいつの間にか私達のものになっていた。
だけど、体が成長するにつれ、私達はいつまでも一緒ではいけないという現実を押し付けられるようになっていた。
“いつまでも一緒ではいられないのよ”
私から言わせれば、何を今更。という感じだった。今まで散々服や髪型いろんな物をすべて一緒にしてきたのに。
私は周りの変化についていけなくて戸惑いを隠せなかった。
そんな私に君は穏やかに笑いながら囁いたよね。
『髪型や服は仕方ないよ。琉伊(るい)は女の子で僕は男の子だからね。…大丈夫。何にも心配なんていらない。いらないよ。』
次第に私も
自分達が少し“変”だと感じだしたのは小学校の高学年の頃ー
学校の行きも帰りも
休み時間も
放課後も
休日も彼だけといる毎日はさすがにおかしいと感じはじめていた。
『帰ろう』
放課後、無邪気な笑顔を向ける君に私は
『今日は友達と帰るから駄目』
と素っ気なく答えたのを今でも覚える。
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