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その夜、二段ベットの上から聞こえた
『今日何であんなこと言ったの』
冷たい声。
『だって…友達欲しいんだもん』
幼い私はその声の変化にも気づかなかかった。
『どうして?僕がいるのに。』
淡々とした声は荒げることもないのに怒っていることは十分に伝わってくる。
『…………女の子とも遊びたいもん』
『……そっか、わかった。いいよ。学校では友達と遊んでも。』
フゥと吐いた息は諦めなのか声色が比べものにならないほど優しくなった。
『本当!?』
声を張り上げて喜ぶ私は何と単純か。
『うん。でも休日は僕のものだよ。』
この時既に私は彼の支配下に居たのだろう。
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