EP01 出会い

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バス内は既に賑やかだった。 女子は女子で固まってるし、男子は男子で固まってる。 「どこが、空いてるんだ?」 ツバメは、バス内を見渡すと手招きをしている男がいた。 「おぉ!一心、席取っといてくれたのか!」 燕は視線の先にいる黒い眼帯をしている男がいた。 彼は、 霧崎 一心 キリサキ イッシン。 右目に何故か眼帯をしている。 昔に何かあったようだが、誰もそこは触れない。 無口な奴だが、意外と友達は多い。 そして燕の親友である。 「…遅刻だな」 燕が隣の席に座るなり無表情でそう言った。 「いや、予想通りだ!」 勿論、虚言ではあるが燕と一心の会話はこうやって成立していく。 「バスに乗ったのは、32分。2分の遅刻だな」 へへっと笑みを浮かべる一心を見て、再び反論する。 「集合は30分だから!30分に学校に着きゃいいんだよ!」 言い訳にしか聞こえないだろうが、とにかくこんな感じで会話が繋がっていく。 「言い訳は見苦しいぞ?」 「言い訳じゃねーよ!事実だし!」 「へいへい、悪あがきはいいからな」 と一心は、燕を慰めるように頭を撫でた。 「てめえ、頭を撫でんじゃねーよ!!」 「わりぃ、お手頃だからついな…」 とケラケラと笑っていた。
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