13人が本棚に入れています
本棚に追加
『大丈夫ですか?』
私は声のする方を見る。
男がこちらに手を伸ばしている。
なんのつもり?
この炎で焼いてやりましょうか?
虚ろな目で男を見ていると男は強引に私の手を取り立ち上がらせた。
温かい手……
私を見つめる優しい眼差し……
綺麗な声……
それは私の醜い炎を消した。
『じゃあ僕はこれで。気をつけて下さいね。』
売れない漫画か、小説みたいな一瞬での出会いだったけど、私がその男を気にする様になるには十分な時間だった。
最初のコメントを投稿しよう!