わたし

5/9
前へ
/162ページ
次へ
さて、読みますか。 今日のセレクトは、ランポーにアガサに横溝正史…推理ものが好き。 古本屋回って手に入るものはあるけど学生の身ゆえ、限られて来るんだ。 しかもハードカバーのものが置いてあったりするんだから。 この学校の図書室は、本好きにとっては天国だよね。 集中集中…。 回りの音や、他の生徒の小声のおしゃべりさえも気にならなくなった時、 「あら?今日はここにいるの?。」 頭上からの声で、本の世界から引き戻された。 「雪香、先輩?…あの、部活は?。」 わたしは驚いてた。 そうでしょ?今みんな体育館で練習してるのに、なんで? そんな疑問に雪香先輩は、わたしの向かい側に座りながら、 「今日は休ませてもらったの。試験も近いしほら、私、もう三年になるじゃない?志望大学行くなら、もうちょっと努力しないとね。」 参考書や何やらを鞄から出して、ノートを広げた。 「大変、ですね。でも雪香先輩ならどこでも一発で上がれるんじゃないですか?。」
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

300人が本棚に入れています
本棚に追加