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雪香先輩はバレー部のキャプテンを勤めてる。
わたしは運動はてんで苦手で、バレー部にだって入部していない。
けれど雪香先輩とお知り合いに…なれた。
わたしのクラスメイトで友人が気まぐれに、バレー部の見学に行ってみようなんてわたしを誘ったのが、始まり。
わたしは断固拒否、もし目に付いてしまって勧誘されたら断る勇気なんて持っていないもの。
けれど友人の押しは強くて、わたしは首を弱々しく縦に振ってしまった。
この弱い自分が何度となく、わたしを窮地に追い込んでしまう。
渋々わたしはバレー部見学に行ったのだが、…弱い自分に感謝したのは、生まれて初めてだった。
雪香先輩が、アタックをするためジャンプした瞬間、わたしは時間が止まった気がした。
そんなに近い距離で見てたわけじゃない。けれど見えた気がした。
先輩の汗の玉、ボールをしっかりと見据えた瞳、凛とした横顔、なにより一本に結われた長い奇麗な黒髪…。
すべてがわたしの中で、止まって見えた。
時も呼吸も止められた様に感じた。
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