300人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな何気ない日々を過ごす。
わたしは毎日が楽しくて、嬉しくて仕方がなかった。
けれど…。
「早いね、もう三学期。」
席が近くのクラスメイト同士の会話が、何気なく聞こえて来た。
「私達、三月で二年になるんだね。」
そうだ、わたしが二年って事は、雪香先輩は三年。そして次の三月になったら…。
卒業してしまう。
担任がやって来て、連絡事項を説明し始めてもわたしの心の揺れは止まらない。
卒業、卒業って事はもう学校に来ないって事。それはもう、会う機会が極端に減るって事。
分かってはいた、分かってはいたはずだけど改めて聞くと、辛かった。
一時間目の授業、科学の先生が何やらの化学式を書いて行く。
わたしは機械的にノートを取る。
心はうわの空だった。
最初のコメントを投稿しよう!