寒い朝

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そんな何気ない日々を過ごす。 わたしは毎日が楽しくて、嬉しくて仕方がなかった。 けれど…。 「早いね、もう三学期。」 席が近くのクラスメイト同士の会話が、何気なく聞こえて来た。 「私達、三月で二年になるんだね。」 そうだ、わたしが二年って事は、雪香先輩は三年。そして次の三月になったら…。 卒業してしまう。 担任がやって来て、連絡事項を説明し始めてもわたしの心の揺れは止まらない。 卒業、卒業って事はもう学校に来ないって事。それはもう、会う機会が極端に減るって事。 分かってはいた、分かってはいたはずだけど改めて聞くと、辛かった。 一時間目の授業、科学の先生が何やらの化学式を書いて行く。 わたしは機械的にノートを取る。 心はうわの空だった。
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