遭遇

2/10
前へ
/57ページ
次へ
〈田口智子side〉 最初のミサイル攻撃から三十秒がたった。 未だに敵の位置は確認できない。 「敵の位置はまだ確認できないの!?」苛ついて怒鳴る。 「現在索敵中です!」レーダー兵が答える。 その時、再びミサイル警告が出る。 「敵対艦ミサイル第二派接近中!弾着まで十秒!」対空兵が叫ぶ。 「弾幕を展開しろ!」 「ダメです!衝撃に備えてください!」 対空砲が一斉に火を噴く。 しかし、ミサイルはかすりもせず、艦に接近する。 ミサイルは艦の中央に直撃した。 かなりの揺れが艦を揺さぶる。 だが、爆発音はほとんど聞こえない。 着弾地点から遠いし、宇宙の中だから音が響かないからだ。 「左舷に着弾!」 「ダメコン急げ!」 「敵未確認艦からの攻撃二発命中!」 「左舷第二十区画より空気が漏出しています!」兵士が叫ぶ。 「直ぐに隔壁を閉めて閉鎖して!」すぐに指示を出す。 「敵艦を捕捉しました。」レーダー兵が告げる。 レーダー兵「距離10マイル、敵艦多数。こちらへの攻撃準備に入っています!」 田口「対空砲、迎撃用意!敵艦へのミサイル攻撃!主砲のエネルギー充填を開始!」 兵士「了解!」 既にかなりの被害がでている。 こちらもやられてばかりではない。 それを今から実証してやる。 主砲のエネルギー充填時の独特の低音のノイズを耳に、そんなことを考えていた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加