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〈田口智子side〉
最初のミサイル攻撃から三十秒がたった。
未だに敵の位置は確認できない。
「敵の位置はまだ確認できないの!?」苛ついて怒鳴る。
「現在索敵中です!」レーダー兵が答える。
その時、再びミサイル警告が出る。
「敵対艦ミサイル第二派接近中!弾着まで十秒!」対空兵が叫ぶ。
「弾幕を展開しろ!」
「ダメです!衝撃に備えてください!」
対空砲が一斉に火を噴く。
しかし、ミサイルはかすりもせず、艦に接近する。
ミサイルは艦の中央に直撃した。
かなりの揺れが艦を揺さぶる。
だが、爆発音はほとんど聞こえない。
着弾地点から遠いし、宇宙の中だから音が響かないからだ。
「左舷に着弾!」
「ダメコン急げ!」
「敵未確認艦からの攻撃二発命中!」
「左舷第二十区画より空気が漏出しています!」兵士が叫ぶ。
「直ぐに隔壁を閉めて閉鎖して!」すぐに指示を出す。
「敵艦を捕捉しました。」レーダー兵が告げる。
レーダー兵「距離10マイル、敵艦多数。こちらへの攻撃準備に入っています!」
田口「対空砲、迎撃用意!敵艦へのミサイル攻撃!主砲のエネルギー充填を開始!」
兵士「了解!」
既にかなりの被害がでている。
こちらもやられてばかりではない。
それを今から実証してやる。
主砲のエネルギー充填時の独特の低音のノイズを耳に、そんなことを考えていた。
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