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百年、千年……それより遠い先の未来でも、待っているから……。 だから、また見つけてね? ******** ******** 遥か昔、その地には天照大神の子孫である者が治める国があった。 科学など無い時代。 自然現象は全て見えざる者の力であり、神や妖を信じていた。 そんな時代の花の都、平安京――。 雅と言われ貴族が謳歌していたその地は、夜になれば妖・妖怪が跋扈していた。 その為、日が暮れれば碁盤目状に作られた道に人気は無くなる。 何時の時代も、人間は闇を恐れる者だ。 そんな暗闇を、奇妙な格好をした少女が走っていた。 明るい髪は背中まで長さがあり、丈が短い裾からは生足が伸びている。 この時代ではまず有り得ないその格好は、昼間であれば誰もが目に入れてしまうだろう。 走る少女は、何度か後ろを気にして振り返る。 誰もいる筈が無い暗闇。 しかし、その中から、赤い鬼が現れ少女を追っていた。 走り回る少女を、いたぶるように追いかけながら、赤鬼はニタニタと下卑た笑いを浮かべている。 不意に、少女の足が縺れて転倒した。 慌てて振り返る視線の先には、もう追いついた鬼がいる。 「……ひっ」 太い腕が少女の首を掴む。 力が入り、少女は足掻いた。 「……だ……ぃやだぁ」 そのか弱い悲鳴ですら気持ち良さそうに、赤鬼は恍惚とした笑みになる。 が、その直後――。 白刃の光が走り、赤鬼は慌てて少女を離した。 力無く倒れた少女を片腕で抱き留め、現れた人影は刀を赤鬼に向けた。 .
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