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「僕なんて綱さんに比べたらまだまだです。綱さんは四天王の筆頭ですよ」
あの年齢詐偽紛いの男が。
「その奥様になられる方をお守りできるなんて」
光栄ですと可愛らしく言う金時に、苑衣は頬を引く付かせた。
綱を思い出し、嫌な予感がする。
「……あの、因みに何歳でしょう」
「え。ああ、二十二です」
「少年じゃねぇ」
思わず呟いてしまう。
なんだ、この年齢詐偽集団は。
「……二十代……ですか。またまた因みに奥さんは」
苑衣の質問に、空木が身を乗り出す。
「え……ううん。僕も独り身です。まだ家庭を持てる程、暮らしが安定して無くて」
ここ最近、京に来たばかりらしい。
それでも昇殿を許された身の頼光に仕えるのだし、それなりに収入があるらしい。
それでもまだ時期では無いと決めてるのは、何か理由がありそうだ。
「金時様は参内をしなくてよろしいのですか?」
「ええ。今日は物忌という事で休みを貰いました」
物忌とは、運気がよろしくないから休み、室内に籠っていなくてはならない。
それがここにいるという事は、嘘か。
苑衣の視線に、金時は赤くなった。
「物忌など、気力で運気も跳ね除けます!」
「何時も金時様はそう言って本来の物忌を休まないのです」
怒ったような空木に、金時が所在無さ気に視線を彷徨わせた。
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