三話 十二神将

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「天一、何をしている」 護衛として置いて来ている筈の式神に、晴明は目許を険しくした。 『ご報告がございます』 今なら屋敷に綱もいるので、来たのだろう。 「何だ」 『何やら不穏な輩が屋敷の周りをうろついておりましたので、玄武を追跡にやりました』 「それで」 女の傍らに気配だけが現れる。 『すまぬ。見失った』 『どうもその男、姫を狙っております』 『……天一だけではいざと言う時危ないだろう』 四天王の彼等も四六時中付いていれる訳がない。 落ち着いてきたら、苑衣を警護できる時間は無くなるだろう。 晴明が使役した十二神将には特性があり、攻守で分かれる。 中でも天一は力もあまり強くなく、防御が得意だ。 いざと言う時に相手を追い返す事は難しい。 「……ならばもう一人憑けよう」 さて。誰がいいか……。 「……誰かおらぬか」 そう呼べば、気配だけだが数人現れる。 それを見回し、晴明は選んだ。 「では白虎、頼んだ」 ******* .
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