四話 良妻?

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「まぁまぁ、季武さんの事は今始まった事じゃないですし」 「いいや、今回ばかりは物申す!」 ぎゃぁぎゃあとしたやり取りに、徳芳はさっさと夕餉の支度を命じて、空木には白湯を持って来るよう言う。 ここは玄人だと感心してしまった。 「聞いてるのか、季武!!」 「綱しゃまぁ」 苑衣が起き上がり、綱の両頬に両手を当てた。 「怒っちゃいけません……メッ!」 固まった綱に、季武が吹き出す。 流石の四天王筆頭も、酔っ払いの前では形無し。 季武を睨み、綱は溜め息を吐いた。 両腕が塞がっているから、季武を叩けない。 「何なら助けてあげましょうかぁ?」 げらげら笑いながら季武が言うから、対抗心に火が付く。 舌打ちをして、苑衣の額に額を付けた。 予想外の事が起き、笑っていた季武も金時も、徳芳達も固まり様子を見守る。 「……綱しゃま?」 「怒ってる訳じゃない。叱ってるだけだ」 嫌、意味は違えどやってる事は同じだろう。 綱に、苑衣は瞬きながら、分かったと頷いた。 それから季武を見る。 「しゅえたかぁ!悪い事しちゃだめっ!」 酔っ払い程、相手にするのは面倒な物は無い。 急に笑い出す苑衣に、酒を置いて来た事を後悔しても後の祭りだった。 .
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