四話 良妻?

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「……あのなぁ」 「夜警の準備だったらやっときます」 「そういう事じゃなくて」 「……あの。何か間違って……ますよね」 綱の様子を見れば嫌でも悟ってしまう。 困らせる気は無かったのだが……。 「……ごめんなさい」 「待て、謝るな」 俯いていた顔を上げ、綱を見る。 何故か綱はさっきより困っていた。 「……綱様?」 「寝る!場所借りるからお前は部屋から出るな」 「……何でですか」 「殿とか季武が知れば騒ぐ」 つまりここで寝てるのを知られたくないから、バレないように苑衣も動くなという事か。 苑衣は頷いて茵から出た。 「…………でも今寝るのはな」 「タイミングが悪いですしね」 「たいみんぐ?」 「時機の事です」 「成程」 「そんなに時機にこだわるなら、気絶すればいいのでは?」 「そしたら起きれなくなるな」 それでも気は楽になったのか、文句を言いつつ綱は茵の中に潜った。 背中を向けて直ぐに、規則正しい寝息が聞こえる。 寝付きはいいらしい。 消えていた白虎の気配が戻り、枕元に、宙に浮いていた刀が置かれた。 .
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