幸せな日常

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   春にとって近所の猫や犬、鳥達は大事な友達だ。  どういう理屈かは分からないが動物には春の姿が見えるらしい。  そして触れる事も出来る。  それに調子が良ければ物に触る事も出来る。  だけど、物や動物とは違い俺は触れる事は出来ない。  ただし触れる事の出来ない代わりに人間で春が見えるのは俺だけらしい。  春の死を知ってから数日後、俺は春の死んだ場所へ向かうと春は今と同じ姿でそこにぼーっと立っていた。  誰も春に気付く事無く、春は死んでなかったんだと俺は春の手に手を伸ばすけどすり抜けてしまい  目の前に居るのに触れることの出来ないその手に  春が本当に死んだのだとそこで俺は実感した。  
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