幸せな日常

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  《スーーッ…》  茶の間に入る引き戸を開けると既に雪乃が座っていて母さんが丁度台所から味噌汁を持ってきた所だった。 (あれ?) 「父さんは?」  今朝、今日は早く帰ってこれるから焼き肉だと騒いでいたのに姿が無い。並べられている食事も、焼き肉とは遠い煮魚等の和食メニュー。  母さんは俺に味噌汁を渡しながら 「新しく来た専務さんの歓迎会が突然入ったんだって。」 「ふ~ん…」  上司だし会社が合併して大変な時だ、断る訳にもいかないだろう。 「焼き肉だって言ってたのにぃ~、お父さんの嘘つき~。」 「仕方ないでしょ、焼き肉はまた今度。」 「…は~い。」  文句は言うものの、小学生ながら父の会社の状況を分かっているんだろう。ただを捏ねずにあっさり諦めた様だ。  母さんも席に着き 「「「いただきます。」」」  3人揃って食事を始める。  いつもの様に、食事中始終雪乃が学校で有った事を喋っていた。  それに俺と母さんが相づちを打つ。  食べ終わると、まだ話し足りないのか雪乃は俺の食べた食器も片付けてくれ、洗い物の手伝いを始める。俺は茶の間のTVを消し 「俺、部屋に戻るから。」  一応声をかけ俺は部屋に戻った。  
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