幸せな日常

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   やる気はあるのにどこか抜けている会社員の父さんにマイペースな専業主婦の母さん、甘ったれで母さんにべったりな小学2年生の妹の4人家族。  俺と雪乃の年が離れているくらいで、特別これといってなにもない。  よくある一般的な家庭。  茶の間で一緒にTVを見ていたり食事の時に相づちを打ったり、一緒に過ごす時間は多いのに家族の誰も春の存在には気付いていない。  いつも食事の時に雪乃の話を聞くのを楽しみにしてるのに、春は姿を現さなかった。 (まだ、屋根の上にいるのかな?) 《…カチャ》 (?…)  扉を開け暗い部屋の中本棚の前に人影が見え、俺は部屋に入ると後ろ手で鍵をかけ部屋の電気をつけた。  本棚の前の人影の正体は勿論春で 「春?」  声をかけてもぼーっとしたまま反応が無く。手元を良く見ると、さっき途中まで一緒に読んでいた本を持っていた。  
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