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俺は春に歩み寄りながらラジオをつけ、もう一度声をかける。
「春?」
春はゆっくりと俺を見上げ、まじまじと俺を見た。
「何?どうしの?」
春は本棚に置くと苦笑し
「…随分大きくなったなぁと思ってな。昔は私が見下ろしていたのに今じゃ見下ろされている。」
「俺に見下ろされるの嫌?」
「嫌ではないが…あれから何年も経つんだなぁと思ってな…」
遠い目をする。
(…。)
「当たり前じゃないよ。」
「ん?」
「俺、春よりでかくなれる様に色々頑張ったし。」
春は意外そうな顔をし
「なんだ?秋こそ私に見下ろされるのが嫌だったのか?」
いつもの様に的外れな事を言う。
「そーじゃなくて!2人で並んで歩いた時、男の俺の方が小さかったらカッコ悪いじゃないか。」
「あはは…おかしな事を言うなお前は、2人で並んで歩いたとして私は誰にも見えな」
「俺には見える!それに…ミケやサスケにだって…見える…だろ?」
苦し紛れにそう言う俺に春はきょとんとした顔をしてから
「…男って生き物は大変だな。」
クスクスといつもの微笑みを俺に向けた。
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