幸せな日常

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   俺も苦笑いしながら 「そう、大変なんですよ。」  いつもの様に返すと春がさっきまで手に持っていた本に目をやった。 「調子良くなったんだ。」 「うん。」  俺は少し残念に思いながら 「そっか、じゃ先に読んでいいよ。俺は春が読み終わってからで良いから、勉強もやんなきゃいけないし。」  喜んで読み始めると思えば 「…いや、秋の時間のある時に一緒に読もう。」 (え?それって…少しは…) 「秋も楽しみにしてたのに私だけ抜け駆けするのは悪いしな。」 (そっちか…)  俺の思惑なんて微塵も感じる事なく純粋にそう思って言ってるんだろう。 「それじゃ、ちょっとだけ読もうかな。続き気になるし」 「こらこら、自分で言っただろ?勉強しなきゃいけないって。」 「…そーでした。」 「待っててやるから早く済ませろ。」 「うん。」  最速されるままに俺は机に向かう。  中間テスト3日目。明日さえ終わればテストからも解放される。  そうすれば… 「あ…そうだ、ねぇ春。テスト終わったらデートしない?」  
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