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「お兄ちゃんいつもとなんか違う。もしかしてデート?デートなんでしょ♪」
部屋を出たとたん出くわした雪乃が目をきらきらさせまとわりついてくる。嬉しくなる気持ちをグッと抑え、雪乃に目線を合わせるようにしゃがむと
「…そうだよ。雪乃だから話したんだからな。父さんと母さんには内緒だぞ。内緒に出来るなら雪乃の好きな苺のミルフィーユ帰りに買ってくるから。」
「出来るよ!やった、お兄ちゃん大好き♪」
雪乃は小躍りしながら喜んでいる。
何を隠そう、この家で一番気を付けて暮らしていかないといけないのはこの小躍りしている妹だ。小学生といっても女の感というものは舐めてはいけない。
雪乃には一度春の存在を気づかれそうになった事がある。それも彼女が幼稚園の時にだ。
俺の反抗期は収まりつつ有ったが、まとわりついて何でも真似する小さな怪獣はウザい以外の何者でもなく、彼女をないがしろにし続けていたら更に彼女は俺を執拗に付け回しとうとう春と話してる現場を母に見られてしまい大騒ぎになった。
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