つまらない世界に差し込んだ一筋の光

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「そう言うな。」 有坂サンは、キャリーケースやボストンバックに荷物を詰め込むとそれを玄関まで運んだ。 「さ、車まで運ぶから手伝え。ライカは、キャリーケースを持ってきて。」 「人使い荒いわね。」 「そんな顔すんなよ。帰ったら、いっぱい甘やかせてやるから。」 「なっ…」 一気に顔がポンっと熱くなった。 「あはっ。顔が真っ赤。やっぱり、お前甘えたがりなんだな。大人っぽくしてるのも、好きな男に関係してんのか?」 「あ、有坂サンに関係ないわよ!!」 「やっぱりそうなのか。」 「ち、違うわよ…」 「お前、動揺し過ぎだって。」 有坂サンは、そう言うと私の頭をグイッと寄せるとチュッとキスをした。 「んッ…」 またキスされた… 「お前、可愛いな。お前の好きな男に腹が立った。絶対に忘れさせてやるからな。さ、早く行くぞ。俺、腹へった。」 「わかったわよ…」 .
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