三好京平の憂鬱。

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寝ぼけ眼(まなこ)を擦りながら鼻の先までずり落ちた眼鏡をかけ直し、 一生懸命頭を働かせる。 が、いまいち京平は自分の状況を把握できないでいた。 読者もポカーンとしている事間違いなし。 ――出てこいっていう口調からすると、確実に怒っているのだろう。 そうじゃなければあんな威張った言い方、普通しないだろうし。 名乗り出ようか、 名乗り出まいか… これは一旦様子を見た方がいいかもしれない。 返事をしないのは失礼かもしれないが、知らない女に訳もわからず怒られるのも納得がいかない。 それに自分の男のカンがやつは危険だと告げている……気もする。 クラスメートのお前名前呼ばれてるよ的な視線はとりあえず無視の方向でいこうと思「おーい、きょーへえ。夏姫に呼ばれてんぞー。」
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