三好京平の憂鬱。

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なんかすんごい威圧感だ。 思わず『す』と『ご』の間に『ん』が入ってしまう程に。 わかりやすく威圧感を数値に直せるとするならば、 常人<波平<ジャイアン<<<<<∥越えられない壁∥<<<目の前の女<小沢さん って程に。 さすがに小沢さんには負けるが、 石原都知事相手なら勝るとも劣らない、といった所だろう。……ってこの説明はどうでもいいか。 しかし女ごときに怯(ひる)むなど格好悪い、という自尊心から動揺を悟られないよう目は決して逸(そ)らさない。 京平は座っている為、どうしても見下されてる感があって非常に不愉快であった。 できる限り関心のないように振る舞おうと、思い付く限り短い言葉を使う。 「…ああ。」 「ちゃんと言って。あんたは三好京平?」 「三好京平。」 「この学校にあんたと同姓同名の人間は?」 「自分の知る限りいないが。」 「私の知る限りもいないわ。」
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