三好京平の憂鬱。

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「あ、そ……。」 ――え これで会話終了なのだろうか? 質問の意図はおろか、彼女の名前すら知らない。 困ったよ。こまったさんのホットケーキだよ。まったく。 もう自分が何を考えてるのかすらわからない。意味がわからない。 「じゃあ、今日からよろしく。三好京平。」 何秒間かの沈黙の後、スッと左手を差し出され握手を求められる。 席を立って制服のズボンで軽く手を拭くと、つい営業スマイルで ああ、どうもどうも。 とペコペコ頭を下げそうになりハッとする。 「な…なにもよろしくないっ。 馴れ馴れしい。自分に何の用か言え。話はそれからだ。」 行き場を失った手をふらふらとさ迷わせた後、一番自然かと思われるchoiceで腕組みをした。 「ふん、優しくないわね。好感度DOWN。」 「は、はあ!?」
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