三好京平の憂鬱。

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明確な答えなど一生わかる事はあり得ない、と。 自分はそういう考え方の持ち主なのだ。何に対しても。 理屈っぽくて他者から見ればつまらない男。良くいっても現実主義者。リアリスト程度のもの。 言うまでもないが、宇宙人も未来人も超能力者の存在も信じていない。 世間話のついでで言えば、自分もサンタクロースなど昔から信じていなかった。 どちらかと言えば着ぐるみを被った人間を下からのぞきこんで、被り物と被り物の間から僅(わず)かに見える人間味溢れるそれをみて、きゃっきゃ言って喜んでいるような…なんとも可愛げのない子供だったと思う。 自分の性格はあの時から根本的なものはなに一つ変わっていない。 成長し背や体重が変化しようとも、相対的に見ればそれは本当に些細な事で。 結局のところ、自分が直接見ることのできない外見部分の容姿が変わったところで、自分しか知る事のできない内面部分は何も変わっちゃいなかった。 こんな自分は本当に………―――
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