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すらりと背が高く、短い髪は日に透けて金にも見える栗色。
気紛れに合った瞳は長い睫毛に縁取られ、空のように澄んだ切れ長。
鼻筋は通り、整った唇は驚きに丸くすぼむ。
否応無しに胸が高鳴る。この人が……
って、あれ?男?
「こいつが望月望こと、二年五組、竜樹岬。岬、こちらは新入部員のシンジミトリちゃん」
いやまだ入ってないんですけど、と心の中で指摘しないほど、その時の私は憧れの人物を眺め、ただただ立ち尽くしていた。
彼は要領得ない顔で何度か瞬きをした後、手を差し出しにっこりと笑みを浮かべた。
「よろしく、小動物」
「小動物じゃないもん!」
数秒後、私の絶叫が部室棟を震わせた。
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