小動物って、マジ萌える

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そろそろ昼飯時になろうかという休日。人の行き交う通りの隅で、水晶玉を前にベールを被った超ステレオタイプの占い師が告げる。 「あなたは小動物に恋をします」 現実というやつは残酷だ。 少女漫画に出てくるイケメンドS金持ち生徒会長なんて条件を満たす男は現存しないし、巨乳美女集団に告白されるなんて少年漫画的シュチュエーションがあるはずない。 勿論、魔法や超能力、妖精や幽霊なんて非日常はどこにも無い。 「小動物に恋をします」 面白味が無いかも知れない。 けれど、夢見た幻想と目前の現実に折り合いをつける、つまり諦めることが大人になっていくということだろう。 「だからぁ~、するったらするんだって」 だあぁぁあ!! 駄目だ、俺の論理ではこの状況を説明できない! 落ち着け、自分! 俺の名は竜樹岬。飛翔高校二年、文芸部。趣味は読書、童話制作、ネット、ゲーム。好きなものはかわゆきもの、ちっちゃきもの、甘きもの。 よしっ! 健全な青少年として趣向に問題があるような気がしなくもないが、まあいい。 思い出せ、何故俺はこんなメルヘンチックな状況に置かれている!? ──そう、全ては今朝に遡る
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