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「……可愛っ」
ディスプレイに映るのは、円らな瞳と三角の鼻の猫型クッション。
若干値段が高い気もするが……勿論買う!!即買う!!
うきうき画面をスクロールする俺の背に声をかける者がいた。
「おい。ちょっと、そこの変態男子高生」
「なんだ、年増女。俺は可愛い猫さんと薔薇色の未来を想像中で超忙しい」
背後霊はやれやれと溜め息をついた。
「岬さ、一体いくつなのよ。そろそろ女体に興味が出てくる頃だから、エロい画像を見ている背後から脅かして気まずくなるという崇高な作戦を無為にしやがって」
「すげえ!座るとにゃ~という音が出るオプション付きだってさ!!なんて素敵なんだ!」
「おい、無視すんな。ちょっとこっち直れ」
以前無視し続けてパソコンの電源を引き抜かれた過去があるため、俺は仕方なく後ろを振り替える。
「なんだよ姉ちゃん」
仁王立ちする女はブーツを装着したら大抵の男が勝てないくらい背が高い。
その名は竜樹渚。誠に残念ながら俺の姉。
「彼女を家に連れてきて冷やかされろ!いたぶらせろ!あたしに!」
何その小姑。
姉はその背故に彼氏が出来ないと嘆く。が、俺は絶対にその性格が問題だと思う。
「だって、同年代に興味が持てないだからしょうがないだろ。全長は十センチ以下でないと」
「最早人類じゃねぇ!!」
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