子どもの遊びは馬鹿にできない

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「何してんの?」 「見てわかんねぇのか。仕事だ仕事。」 あたし達(二人ぼっち)がいるのは、真選組屯所の副長、土方十四郎の部屋。 十四郎は仕事中。あたしは勝手に押入れをあさくって遊んでいる。 ちなみに十四郎は局長と総悟くんの溜めに溜めた仕事に悪戦苦闘しているのだ。 「・・・終わらないねぇ、仕事。」 「手伝いもしねぇお前が言うと何かムカツクんだけど。ってか何 人の部屋の押入れ見てんだコラ」 「鬼の副長の押し入れにエロ本あったら超ウケね?」 「帰れェェェエエ!!!」 「やだね。っつーか何でこんなにマヨがあんのさ。非常食なのか?非常マヨなのかコノヤロー」 「いちいちうるせぇな!仕事手伝え!!」 「えー、だってそれあたしの仕事じゃないもん。」 「俺の仕事でもねェんだよ畜生ォォォォオオ!!」 キレて机をひっくり返す十四郎。そしてそれを見ているあたし。 無論、キレられたからといって仕事を手伝う気は毛頭無いのだが。 ひっくり返された机には大量に書類が積まれていたわけで。 必然的に崩れ落ちる書類達。空中に舞う書類達。哀れでならない。(でも手伝わない) 「ちょっとぉ、大声出さないでよ。近所迷惑じゃないのさ。」 「屯所に近所もクソもあるか馬鹿!」 「隣の部屋の山崎くんが可哀想・・・」 きっと山崎くんは十四郎がイラついている日は不眠症になっているんだろう。 地味というキャラのポジションも可哀想で、ここまでくると涙が出てくる(それでも仕事は手伝わない) 「そういえば局長と総悟くんは?」 「局長はまたいつものトコだろ。総悟なら俺を抹殺する儀式の途中だ」 以外とあっさりした答え。両方の件に関しても、諦めてしまっているのだろう。 ちなみにいつものトコとは、「スナックすまいる」の事だ。 そこのお妙さんとやらを追うのに必死らしい。 (局長曰く『ボサツのような人』。ボサツって何だろう?)
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