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それは昼休みの時だった。
「慎也!飯どこで食べるか?」
「屋上でいいんじゃね?」
屋上はいつも俺たちが弁当を食べるところだ。
「んじゃ行こうぜ!」
俺たちは弁当を片手に屋上に行った。
屋上に着いて弁当を開けてる時に慎也が話しかけてきた。
「お前授業中寝過ぎだろ。」
「仕方ね~だろ。暇なんだから。」
「お前頭良いんだから勉強したら学年一位になれるんじゃないのか?」
俺は授業はほとんど寝ているが、教科書を一回読めば学年十位以内に入ることができる。
「別に一位とかなろうと思わねーよ。一位になったってなにかが起こる訳じゃねーしな。」
「まぁ、それはそうだが…」
「じゃあ、もーいいだろ?あんま勉強の話は好きじゃねーんだ。」
そう俺が言ったら会話なくなった。
別に俺たちは話さなくても常に一緒にいればいいくらいの親友だ。
「あぁ!いたいたぁ!!」
そこに現れたのは優希だった。
「優希じゃないか。」
「お前どうしてここに?」
「なによ!祐璃はあたしがここに来たら行けないっていうの!?」
「いや。そういう意味じゃないが、いつも来ないじゃないか。」
「今日はいつも一緒に食べてる子が部活の集まりでいないからあたし1人になっちゃって…」
「寂しいから幼なじみの俺や祐璃の所に来たってことだな?」
「その通り!」
なに、正解!って顔してんだよ。
「俺たちはそろそろ食べ終わるけど…」
「まさか、あたしを置いて行くつもり!?」
「そのまさか。」
「うわ!ひど~い!!慎也は祐璃みたいにひどくないよね?」
俺は別にひどくないと思うんだがな。
「俺は待っててあげるよ。」
これが慎也のモテる要素だ。優しいんだよ。普通俺に合わせて置いていくって言うだろ。
まったくマジで俺が悪いみたいじゃないか。
「俺も待ってやるよ。仕方ねーから。」
「一言多いよ。ま、ありがと。」
こんな日常的な会話をしているこの瞬間だった。
ありえないことが起きたのは…
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