一変する風景

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ピカーンと当たりが一瞬眩しくなった。 俺はあまりの眩しさに目を閉じてしまった。 そしてまたすぐに目を開けた。 だが俺の目には有り得ない映像が映っていたんだ。 「なんだ!?人以外の全てが白黒に見える…」 「何がどうなったの?学校を包んでるこのドームみたいなのはなに?」 「ついにこんなところにまで攻めてくるようになったか!!」 「慎也!!なにか知ってるのか?」 「あ、あぁ。」 「知っているなら教えてくれないか?」 俺は有り得ないこの現状に怖かったが、なにより嬉しかった。 この退屈な日々から解放される気がしたんだ。 (教えてもすぐ忘れてしまうんだが…まぁ。教えよう。) 「簡単に説明するぞ。」 「あぁ。」 「ねぇ。あれ何?」 優希が指を指している方向を見たら人間が背中に羽が生えて飛んでいた。 「あれがこの状況を作った原因だ。」 「じゃあなんだ?あいつらがこのドームみたいなのを作ったって言うのか?」 「そうだ。」 「そんなの有り得ない!なんで人にこんなことができるの!?」 「だけど事実なんだ。」 俺は有り得ないと否定しなかった。なぜなら現に今、有り得ないことが起きているからだ。 「あいつらはなんなんだ?なんで羽が生えてる!?なんでこんなドームみたいなのを作れる!?」 「あいつらは鴉だ。」 「鴉!?鴉ってあの空を飛んでるカァーカァー泣いてるあの鴉か!?」 「ますます有り得ない!なんで鴉が人の姿をしてるの!?」 「嘘はついていない。全部事実だ。」 さすがにそれには疑った。鴉は有り得ないと思った。だがそれもすぐ疑いはなくなった。なぜならこの瞬間に俺の、俺達の目の前にソイツが現れたから…
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