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「マユカ…………一緒に行こう?」
後ろからオズオズと声をかけた私に、マユカは切れ長の瞳をスッと細めて微笑んだ。
「相変わらず美羽は環境の変化に弱いね。まだ場所覚えてないの?」
仕方ないと言うように、微笑んだまま溜め息を付くと、マユカは机に乗せていた教材と筆箱を手に取った。
「だってぇ~………学校広いんだもん………。」
「はいはい。もういい加減覚えてね?じゃあ行こうか。」
そう言って長い髪を軽くかきあげると、踵を返して教室を出て行った。
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