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彼は真っ直ぐ駅まで歩くと、改札口をくぐって行った。
そこでも何人かの取り巻きがバラバラと別れ、残りは二人。
元宮君を合わせて三人が電車に乗り込んだ。
少し離れた扉に私も滑り込む。
―――私とは違う方角だな…………。
普段なら乗ることはないだろう電車の車両に乗り込むと、扉の締まった電車はユックリと揺れながら出発した。
三人は乗った反対側にある、四人用の座席に向かい合って腰を下ろした。
動きが自然だから、いつもこんな感じなのかもしれない。
私は乗った側の扉の方を向いたまま、耳の神経を全て元宮君達の方に向けた。
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