[>足りない気持ちにキスを

2/11
前へ
/246ページ
次へ
大学生の時はそれなりに充実した時間を過ごしていた。 1度だけ若い大学教授と付き合ったことがあったが、 それ位しか色恋沙汰はなかった。 つまらない講義。 山のようなレポート。 卒業してまだ半年も経っていないのに、 今となっては懐かしい過去となっている。 飲み明かす土曜日の夜。 大学時代の友人、都はピンク色したカクテルを静かに口へ運んだ。 「友理奈さん、覚えてる?」 静かなバーで、 同じようにBGMにかき消されそうな静かな声で、 都は言った。 「…“友理奈"さん?」  
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

700人が本棚に入れています
本棚に追加