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「お兄ちゃん…あったかい…。」
明日香は、恥ずかしいのか顔を勇馬の胸あたりで隠す。
「布団に入ってるからだよ。それにしても、さっきまで抱きついたりしなかったのにどうした?」
「お兄ちゃん…知らない人だったから……恥ずかしかったの…。でも…ボクのこと助けてくれたから好きになった。」
明日香はそう言うと、笑顔を見せる。
まぁこんな小さいんだし当然っちゃ当然か。
「そうだったんだ。」
勇馬は明日香の頭を撫でてあげる。
「えへへ。気持ちい…。」
勇馬は明日香が気持ちいと言うので、しばらく頭を撫でているといつのまにか、明日香は眠ってしまったようだった。
明日香も寝たし、起きるとするか。
勇馬が起きようとすると、ドアの辺りから視線が感じた。
よく見てみると、雫がこっちをじっーと見ていた。
無表情でこっちを見てくるからけっこう怖い…。
なんか悪いことしたっけ?とりあえず、声を掛けてみるか。
「どうしたの?」
「むぅ…。明日香とだけ…寝るなんてずるい……。最近一緒に…寝てくれないのに…。」
「だって弁当ないんだからしょうがないじゃん。」
雫とは弁当を作ってくれる変わりに一緒に寝るって約束だから春休み中は一緒に寝てない。
雫と毎日なんて寝たらいつか襲っちゃいそうで怖いから極力一緒には寝たくないんだよね。
「じゃあ…なんで明日香だけ……いいの?」
それは、あんな小さい子にお兄ちゃん一緒に寝て?
なんて、言われたら断ればないもん。
理性崩壊とかもしないしね。
「だって、お願いされたんだもん。」
「じゃあ…雫も……お願いする…。ゆう…一緒に寝て?」
「雫はダメだよ。」
「むぅ…。ゆうって……ロリコンなんだ…。だから……一緒に寝て…くれないんでしょ……。もういい…。」
雫はバンッとおもいっきりドアを閉め、部屋を出ていってしまった。
雫怒っちゃったな。最後らへん泣いてたっぽいし。
確かに理由も言わずに、頑なにダメじゃ普通怒っちゃうか。
「謝りいくか…。」
勇馬は雫がいるであろうリビングへと向かった。
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