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雫は机に顔を伏せていた。
「ヒック……ゆう…雫のこと…嫌いにになった…ヒック……のかな……ヒック…。」
はぁ。俺の悪い癖だな。また雫泣かしちゃったよ。
「そんなわけないだろ。」
「ゆう…?」
雫は机から顔を上げる。
「顔びしょびしょだよ。」
顔を指で拭ってあげる。雫の顔は涙でびしょびしょになっていた。
「さっきはごめん…。別に雫が嫌いだから一緒に寝ないわけではないんだよ。」
「じゃあ…ヒック……なんで…?」
「俺だって男なわけでさ……雫と寝たら我慢できなくなって襲っちゃうかもしれないからさ。」
はぁ…。恥ずかしかったわ。
多分今俺の顔真っ赤だわ。
「じゃあ…これからは……毎日一緒に…寝れるね…。」
は?
諦めてくれるんではないのかよっ。
「なんで、そうなるんだよ。」
「ゆうになら……襲われたい…もん…。」
「襲われたいって…。そこは、普通諦めるだろ!」
「…ヒック…やっぱり……一緒に寝たく…ない…んだね…ヒック……。」
はぁ…。
せっかく泣き止んだのにまたないちゃったし。
「分かったよ…。一緒に寝ような。」
「ホント…?」
雫は子犬のようなうるうるした目で勇馬を見つめる。
やだって言ったら絶対泣くもんな。
そんな目で見られたら断れないし。
「ホントだよ。だから泣き止んでちょうだい。」
勇馬はそう言うと雫の頭を撫でてあげる。
「ゆう…約束だよ。」
「うん。わかった。」
これからはますます理性との戦いだわ。
頑張ろ…。
「ゆう…もう…寝よっか。」
「まだ、夕飯食べてないだろ。」
どんだけ、俺と寝たいをだよ。
ってかなんで俺なんかと寝たいんだろうな。
「だって…ゆうと…早く寝たいん…だもん……。」
「俺は夕飯が食べたいな。風呂にも入りたいし。」
「むぅ…。ゆう…わがままだよ……。じゃあ今から作る。」
どっちがわがままだよ。
雫が飯作るみたいだし、風呂でも沸かすか。
勇馬は風呂を沸かすために風呂場へと向かうのであった。
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