憧れ

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「え! 今なんて!」  私は、興奮の余り、思わず聞き返してしまう。 「だぁかぁら! 明日、ユニットを、組む子と、合同レッスンに入るから、本当、デモテープ聞き込んで、家でも、一杯練習してきてね!」  安部ちゃんは、何度も、言わせないでよねって、顔をしながら、私を見る。  あの…一馬君に、会えるんだ…って、私、何ドキドキしてるのよ!  自分の世界に、入ってしまっている私に、安部ちゃんは、釘をさす。 「相方さんは、今までも、ソロで、俳優とか、踊ったりとか経験があるし、本当すごい子だから! …まあ、君なら、大丈夫だと思うけど。とにかく、自主的に、出来ることは、しっかりやって、合同レッスンに、臨んで欲しいと思う!」  そうだよ、これは仕事だっ、僕は男だっ。  てか、やっぱり、そんなに、すごい人なんだ…本当、頑張らないと。プロとして…これは、遊びじゃない…  私は、決意を新たにして、答えた。 「はい! 頑張ります!」
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