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こんなんじゃ、駄目だ。もっと、根本から、やり方を変えないと、就職なんて決まらないっ!!
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――
―――
「で…うちの母さんにお願いしたいってこと?」
黒髪のセミロングの可愛い顔立ちの茜は、そう言う。
そう、私は、高校の時、同じクラスだった、一宮茜の家に来ていた。
大きなテレビのある、広いリビング。ふかふかのソファーに座り、目の前には、お洒落なカップに紅茶が注がれていた。そう、彼女のお母さんは、社長さんなのだ。
「そうなの! 茜のお母さんが、社長さんだったって思い出してね!」
グッドアイディアでしょ?と言わんばかりに、目を輝かせて言う皐月に
「悩んだ結果が、コネって…」
さすがの茜も、呆れすぎて、笑いながら答えた。
「それも、大手芸能事務所だし、雑用でも、本当、何でもいいから、働かしてもらえないかなあって思って!」
「うーん…」
余りにも、無理なお願いに困り顔の茜。
「だめかな…? 一生のお願いっ」
皐月は、目を潤ませて茜をみつめる。皐月のこの目に弱い茜は、
「……無理だと思うけど、まあ、話だけしてもいいけど…」
と、ついつい、承諾してしまう。
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