働きたい

8/9
前へ
/220ページ
次へ
 私は、渡された服に着替えようとして、それを見ると、全て、メンズの物だった…  これを着せて、私の就職に、何が関係するのだろうか? …って、言ってる場合じゃないよ! 働かせてもらえるなら、なんでもしないと!  バタバタ着替えて、鏡に映った自分が、目に入る… 「!?」  鏡に映った自分は、男の子そのものだった…  背は高くないけど、ショートカットだし、胸もないからって、服だけでこんなに男の子みたいになるなんて。  更衣室を開けるとそこには、二人の笑顔があった。 「私の睨んだ通りだったわね」  満足げな社長に。 「めちゃくちゃかわいい男の子だっ」  驚きながらも、テンションの上がる茜。 「………」  自分でも、びっくりだ… 「皐月さんさえ、良ければ、男性アイドルとして、うちの事務所で、働いて頂きたいと、思うんだけど…どうかしら?」  『働いて頂きたい』という言葉が、私の頭にコダマする。 「はい! 働きたいです! あっ! でも男としてって…」  思わず返事しそうになるが、さすがの私もすぐに、不安点に気付いた。  だけど社長は、それを、気にさせないかのようにすぐに説得に入った。 「大丈夫。それは、私の方で、フォローするから。そしてできれば、5月に、うちの若手の子と、ユニットデビューさせたいと思ってる」image=392746492.jpg
/220ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2104人が本棚に入れています
本棚に追加