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私は、渡された服に着替えようとして、それを見ると、全て、メンズの物だった…
これを着せて、私の就職に、何が関係するのだろうか? …って、言ってる場合じゃないよ! 働かせてもらえるなら、なんでもしないと!
バタバタ着替えて、鏡に映った自分が、目に入る…
「!?」
鏡に映った自分は、男の子そのものだった…
背は高くないけど、ショートカットだし、胸もないからって、服だけでこんなに男の子みたいになるなんて。
更衣室を開けるとそこには、二人の笑顔があった。
「私の睨んだ通りだったわね」
満足げな社長に。
「めちゃくちゃかわいい男の子だっ」
驚きながらも、テンションの上がる茜。
「………」
自分でも、びっくりだ…
「皐月さんさえ、良ければ、男性アイドルとして、うちの事務所で、働いて頂きたいと、思うんだけど…どうかしら?」
『働いて頂きたい』という言葉が、私の頭にコダマする。
「はい! 働きたいです! あっ! でも男としてって…」
思わず返事しそうになるが、さすがの私もすぐに、不安点に気付いた。
だけど社長は、それを、気にさせないかのようにすぐに説得に入った。
「大丈夫。それは、私の方で、フォローするから。そしてできれば、5月に、うちの若手の子と、ユニットデビューさせたいと思ってる」
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