プロローグ

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三年前 成田空港 ?「うぅ…恐いよ~」 今にも泣きそうな顔で、そう呟く長い髪の少女。 その隣で彼女そっくりの少女がその様子を見て、ムッとしていた。この少女はショートカットである。 ?「もう、芽依は恐がりなんだから、だから、いつもイジメられるのよ❗」 芽依「だって、飛行機って初めてだし……よくニュースで墜落するの見てるし……」 ?「大丈夫よ、そんな事に絶対なんないわよ」 すると、近くの席で、 ?「バカ、エロ、スケベ、セクハラっ」 怒鳴り声が聞こえた。 その声を聞き、振り向く2人。いや、彼女達だけではない。他の乗客も振り向いていた。 そこでは、彼女達と同い年位の少女と少年がいた。どうやら、ケンカのようである。 芽依「何だ、ケンカか……キャッ⁉」 突然、飛行機が揺れた。ボーディングブリッジを離れ、誘導路にゆっくりと旋回し始めたみたいである。 芽依「も、もう出発⁉や、やっぱりあたし降りる~⁉」 ?「いい加減、覚悟決めなさい❗海外のお爺ちゃんもあたしら待ってるんだし」 芽依「でもでも~⁉」 恐がる芽依をなだめるように彼女の手を握り、柔らかな表情で微笑み、言った。 ?「大丈夫、何が起こっても、美咲は芽依と一緒にいるから」 それはある意味正しかった。 その日彼女達の乗った飛行機は、海に墜落した。
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