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別れ3
「ところで愛君、話は変わるけど、私は明日の日が落ちる前には、鬼切村に着こうと思っているんだ」
「でも君は、そうはいかないだろう?実家や学校の事もあるし?」
「何よりもだ・・私のように着のみ着のまま、というわけにはいかないでしょ?支度もしないとね?」
「確かに所長の言われるとうりです・・・」
「そこで、ひとつ君に頼みがあるんだ」
「頼み?何ですか?」
「20年前の、あの事件を当時の新聞に書いてある事でいいから調べて欲しいんだ」
「当時の事実関係を知っておきたいからね」
「・・分かりました」
「じゃあ・・私が村に着くのは・・明後日ぐらいになりますね・・多分?」
「少しの間、別れることになるけど、頼むよ」
「はい!さっそく今から調べに行きます・・今日はこのまま失礼してもいいですか?」
「うん、頼むよ」
「・・・・では」
愛がドアを出るのを見送り初めて気が付く
(あれ?いつの間にか、お昼過ぎてたな)
(しまった?愛君とラーメン食べに行けばよかった)
(しかたないなぁ・・今日は1人で行くか・・・・)
その同じ時間、ドアの向こうで愛がつぶやく・・・・
(所長・・ごめんなさい・・わたし・・)
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