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(やれやれ・・昼過ぎには村に入る予定だったのになぁ・・) (愛君を置いてきてよかったぁ・・・本当にやれやれだなぁ(汗)) 最寄りの駅からバスに乗ること1時間30分、しかも村の峠の手前でバスは帰ってしまった 「やっと峠を登りきったかぁ?」 峠は車1台がやっと通れる広さ、すれ違うための路肩はもちろんあるが 「なるほどね?これではバスは無理か?」 「愛君にはタクシーで来るように、後で伝えておくかぁ」 独り言を呟きながら前方に目を向ける 「お~!これが鬼切村かぁ!」 山々に囲まれた30戸ほどの村が見える 中央には川が村を二つに割るように流れている 「愛君が話してくれた伝説の川かな?」 家々は山に沿うように、間隔もまばらに点在していた 「あれ?あの山の中腹にあるのは?鳥居かな?」 川の上の方角、家が途切れ少し離れた場所に神社が見えた 「あの神社に・・娘を助けた虫が祭ってあるのかぁ?」 「なんだか・・感動しちゃうなぁ~」 田舎の家は、都会のそれと違い造りが大きい、そのなかでも、ひときわ大きな屋敷が村の中央付近に存在していた 「でけ!!」 「なんちゅ~嫌味だ!?」 村は自然に囲まれ、静かに川が流れ、とても美しかった 村の東側には青い森が広く深く広がっている 「あっ!いかんいかん!」 「のんびりしてると暗くなってしまう」 「とにかく、村に行くかぁ」 (愛君、今ごろどうしているかな?) 再び村に向かい歩きだすのだった 「20年・・・まえ・・と」 「えっ?私?誰か呼んだ?」
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