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探偵
「おはようございま~す 所長」
「おはよう 愛君」
私はフォーク探偵事務所の所長だ
もちろん「フォーク」は、二つ名だ!本名は・・
そう言えば・・本名は誰にも教えてなかったな?(まっ!いいか?)
何しろ貧乏なのでオフィスは狭く子供部屋ぐらい
お客用のソファーと机、私のオフィス机と椅子だけだ
彼女は助手の、愛君だ。
年齢は確か・・19歳だったな?
「所長!今日も、な~んにも依頼がないんですかぁ」
おはようの挨拶のあとは決まって、この言葉を言う
私も毎朝決まって同じ答
「な~んにもないなぁ」
でも今朝は違っていた
「依頼が入ったよ」
「え~?奇跡が起きたんだ!!やったね所長」
自分に正直な若者は好きだ・・でもオジサンの心はチョピリ傷ついたのだ
実は、愛君は私の命の恩人でもあり・・・とにかく頭が上がらないのだ
依頼もお金も無く、近くの公園のベンチに、半ばプーになる決心をして座っていたら・・・
「おじさん!探偵さんでしょ」
「どうして分かったの?」
「貧乏そ~な顔してるもん」
「私の事、助手にしてくれたらラーメンご馳走するよ」
貧乏そ~な顔のオジサンとしては断る理由もなく、今に至るわけだ
しかも、たまっていた家賃も払ってくれた
何者なのかは今だに不明だ。
「女は秘密をまとって綺麗になっていくんですぅ」
と、言って何も話してくれないから。
「それで、どんな依頼なんですか?」
「それが・・凄く奇妙と言うか不思議な依頼なんだ」
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